2022年に統一されることとなったグランドスラムの最終セットのルールですが、2019年には、全豪オープンやウィンブルドンでシングルスの最終セットのルールが変わり、グランドスラム4大会の最終セットのルールがすべて違うフォーマットになっていました。
グランドスラム2019-2021のシングルス最終セットのルール一覧
最終セットは、男子シングルスでは第5セット、女子シングルスでは第3セットのことで、セットカウントがそれぞれ2-2、1-1の時、試合の勝敗を決めることになるセットです。ディサイディングセットとも呼ばれます。
2019年から2021年にかけての各大会の最終セットのルールは次の通りでした。
| 全豪オープン | 6-6から10ポイント・タイブレーク (2019年から) |
| 全仏オープン | アドバンテージ・セット |
| ウィンブルドン | 12-12から7ポイント先取のタイブレーク (2019年から) |
| 全米オープン | 6-6から7ポイントタイブレーク (1975年から) |
見事に4大会とも違います。
タイブレークとは、ゲームカウント6-6となったときに、2ポイント以上の差をつけて7ポイント先取したほうがそのセットを獲得する方式。10ポイントタイブレークは2ポイント以上の差をつけて10ポイント先取したほうがそのセットを獲得する方式。
ただし、ウィンブルドンのルールは、タイブレークを始めるタイミングが「ゲームカウントが12-12になった時」で、6-6の時ではありません。
アドバンテージ・セットとは、ゲームカウントが6-6となったあとも、2ゲーム差がつくまで試合を続ける方式。
アドバンテージ・セット方式は、試合に劇的な展開をもたらし、見応えのある激戦を生み出す一方で、勝敗が決するまでに時間を要します。
グランドスラム2018年までのシングルス最終セットのルール一覧
| 全豪オープン | 6-6から7ポイント先取のタイブレーク |
| 全仏オープン | アドバンテージ・セット |
| ウィンブルドン | アドバンテージ・セット |
| 全米オープン | 6-6から7ポイント先取のタイブレーク |
2018年までのシングルス最終セットは、全豪オープンと全米オープンで、タイブレーク、全仏オープンとウィンブルドンでは、アドバンテージ・セットでした。
なぜタイブレークを導入するの?
理由は、
- 試合時間短縮のため
です。
「2ポイント差」が付くまでと「2ゲーム差」が付くまででは、単純に考えれば、時間の差は歴然です。
グランドスラムでの最終セット以外のタイブレークは、1970年代から導入されました。最初は、サドンデスだったりゲームカウントが8-8になった時だったりと違うフォーマットでしたが、現在の6-6から2ポイント差をつけて7ポイント先取という方式は、1979年から定着したそうです。
グランドスラムの長い試合ランキング
- 11時間5分 イズナーvsマユ 2010年 ウィンブルドン
- 6時間36分 アンダーソンvsイズナー 2018年 ウィンブルドン
- 6時間33分 サントロvsクレマン 2004年 全仏オープン
- 5時間53分 ジョコビッチvsナダル 2012年 全豪オープン
- 5時間41分 マチューvsイズナー 2012年 全仏オープン
- 5時間31分 コレチャvsグミ 1998年 全仏オープン
- 5時間31分 チリッチvsクエリ 2012年 ウィンブルドン
- 5時間28分 Holmes vs Witsken 1989年 ウィンブルドン
- 5時間26分 エドバーグvsチャン 1992年 全米オープン
- 5時間22分 カロビッチvsセバロス 2017年 全豪オープン
ベスト10は男子のシングルスです。女子では4時間44分の2011年全豪での試合が最長でした。
この10試合のうち最終セットが7-5以上に長かったのは、8試合。有名な1位の試合はゲームカウント70-68まで続きました。
ジョコビッチvsナダル戦の最終セットは7-5、そして最終セットがタイブレークなのに意外にもランクインしている9位の全米オープンの最終セットは6-4でした。
最終セットがタイブレークだとしても、最終セット以外で時間がかかることもあるということです。なぜなら7ポイント先取ではあるけれど、2ポイント差が付くまで最高ポイントのリミットがないからです。では、タイブレークは最高何ポイントまで続いた記録があるのでしょう。
タイブレークの最高スコアの記録は
usatoday.comによると、最も長いのは、グランドスラムではなく、2013年にフロリダで行われたフューチャーズの大会の記録でした。その数、
- 36-34(ポイント)
11時間5分かかった史上最長試合の決着は70-68(ゲーム)でしたから、約半分です。
グランドスラムでは、ウィンブルドンのダブルスで26-24まで続き、シングルスでは、全仏以外で、20-18というのが何度か出ているのが最長だそうです。
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グランドスラム2022最終セットのルールのトライアル
2022/3/16に、グランドスラム委員会は、2022年のグランドスラムすべてで、「最終セットに10ポイント・タイブレーク」を試験的に採用すると発表しました。このトライアルの実施は、グランドスラムルールのさらなる一貫性への強い要望と、それによる選手やファンの体験の向上を目指して、決定されました。
10ポイント・タイブレークは、2019年から全豪オープンで採用されてきたルールです。
「最終セットでゲームカウントが6-6になったとき、2ポイント差をつけて10ポイント先取した方が勝者」です。
このルールは、男女シングルス、ダブルス、予選、車いす、ジュニアのシングルスで採用されます。
全豪、全仏、全米の混合ダブルス、ジュニアのダブルス、車いすのダブルスでは、最終セットの代わりに、このタイブレークの部分のみがプレーされます。ウィンブルドンだけは、それらのダブルスについても、最終セット6-6からのタイブレークが採用されます。
このルールは、最終的なものではなく、今年の大会が終わった後、今後どうするか再検討されるということでしたが、その後、正式に採用されました。
引用元:ATPの発表、ウィンブルドンの発表。
まとめ
グランドスラムでは、2022年に統一されるまで、最終セットのルールが違っていた。2019年から、全仏オープン以外の3大会がシングルスの最終セットをタイブレーク制にしたものの、ややこしいことにそのルールは3大会3様に違っていて、4大会すべてが違う最終セットのルールとなっていた。
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