ウィンブルドンのディベンチャーチケットとは何?【テニス】

debenture

世界で最も伝統のあるテニス大会、ウィンブルドン選手権には、世界中から観客がやってきます。この大会を主催するのは、ロンドンのAELTCというテニスクラブ。ほかの3つのグランドスラムは国のテニス連盟が主催するのとは対照的です。

テニスクラブが主催するウィンブルドン選手権には、「ディベンチャー」と呼ばれるチケットがあります。ディベンチャーチケットは、オンラインでも出品されていますが数十万円もする高額チケットだったりします。ディベンチャーチケットっていったい何?

ウィンブルドンのディベンチャーチケットとは何?

ディベンチャーチケットとは、ディベンチャー所有者に発行されるチケットです。席はセンターコートかNo.1コートです。

ディベンチャーチケットは、合法的に他人に譲渡、販売できるため、所有者が、一般の人に向けても販売しています。これが一般の人が買えるディベンチャーチケットです。

ディベンチャーとは?

で、そのディベンチャーって何かというと、いわゆる「社債」のこと。社債とは、資金調達のために企業が発行する債券のことで、ウィンブルドンの場合、AELTC(オールイングランド・ローンテニス&クロケークラブ)が発行しています。

ウィンブルドンの公式サイトでは次のように記されています。

Debentures are financial instruments and are freely transferable. They can be bought and sold via a stockbroker or privately during the five year term.

出典:wimbledon.com

”ディベンチャーは金融商品で、自由に譲渡可能です。5年の期間中、株式ブローカーや個人間で売買できます

ディベンチャーは、5年を1期間として春に発行されています。2019年は3月28日に、2021年~2025年用のセンターコート・ディベンチャーが2520口発行されました。

このディベンチャーを所有している人には、大会期間中毎日1枚のチケットが提供されます。それがディベンチャーチケットです。

A debenture provides a ticket for a seat on either Centre Court or No.1 Court for the length of the issue

出典:wimbledon.com

”ディベンチャーの期間中、1口につきセンターコートまたはNo.1コートの1席のチケットが提供されます

センターコート・ディベンチャー所有者にはセンターコートの席が、No.1コート・ディベンチャーの所有者にはNo.1コートの席が確保されます。この席は、毎年変わるけれども、その年の大会期間中はずっと同じ席ということです。

この席の権利、つまりチケットは、譲渡、販売が可能で、日ごとに分けてもOKです。それが売りに出ているディベンチャーチケットです。

また、ディベンチャー所有者にはその他、ラグジュアリーなレストラン、バー、ラウンジのプライベートエリアも用意されていて、チケットを買うと通常その権利も行使できます。

ディベンチャーの価格はどれくらい?

ちなみにこのディベンチャーの価格はどれくらいなのでしょうか。

2019年3月のセンターコート・ディベンチャーの売りだし価格は

  • £80.000(約1100万円)

だったということです。

これを1日当たりにすると、

  • £1230(約17万4000円)

開催期間2週間、ミドルサンデーが休息日で、80000÷5(年)÷13(日)=1230.7692と計算。そもそもオリジナルでかなりの価格です。ちなみに席の位置が違いますが、2020年のセンターコートの一般チケットの最高価格は240ポンド、約5分の1です。

また、ディベンチャーは、金融商品ということで発売後の取引では価格が変動します。公式サイトの現在のインフォメーションでは、2021~2025年のセンターコートのディベンチャーの取引価格は次のようになっています。

One Centre Court debenture – partly paid (2021/2025) series

– £75,000 (19/12/19)

– £78,500 (20/11/19)

– £98,500 (07/11/19)

出典:wimbledon.com

2020/2/9のレートで1000千万円~1400万円くらいです。(1ポンド=約141.47円 グーグル調べ)

No.1コートのディベンチャーは次回2021年春に売り出す予定です。前回の2017-2021年の分の売りだし価格は、£31,000でした。

No.1コートのディベンチャー・チケットは10日分のみ提供されるそうです。というのも11日目以降のビッグマッチはすべてセンターコートで行われるため。この場合の1日当たりの価格は、£620になります。

ディベンチャーチケットの価格は?

ディベンチャーチケットは、複数のエージェントが世界に向けて販売しています。各々で価格が異なっています。

たとえば、wimbledondebentureholders.comでは、

  • センターコート初日 £1730
  • センターコート男子準々決勝 £3270
  • センターコート女子決勝 £1765
  • センターコート男子決勝 £4335

で販売しています。2020/2/9調べ。

まとめ

ウィンブルドンのディベンチャーチケットとは、ディベンチャーと呼ばれる債権保持者に提供されるチケットである。それは転売可能であるため、世界に向けて販売されている。

おまけ

ウィンブルドンのティベンチャーはそれはそれは人気で、現所有者が優先であるため、新規で購入することはとても難しいと言われます。初めてディベンチャーが販売された1920年からずっと持ち続けている裕福な一家も多いということです。