テニスのシードとは?数や決め方について!語源も

プロのテニスの公式戦では、「シード」があります。「シード」は、テニス以外でもスポーツをはじめとしたさまざまな種類の競技会で使われていますが、シードという言い方を使い始めたのは、テニスだったそうです。テニスのシードについて調べました。

テニスのシードとは

広辞苑によると、シードとは、

(「種子」または「種まき」の意)競技の勝抜き試合で、強い選手やチームを前もって想定し、それが初めに組み合わないようにスケジュールを作ること。

シードというそもそもの意味は、運営者側から見た視点で、強い選手がより長く勝ち残るように組み合わせを作ること、なのですね。

テニスでは、第1シード、第2シード、のように、選手やペアに順番を付けて発表されます。ですから、「シード」は、広辞苑の意味の中にある「組み合わないようなスケジュールを作る」という意味のほか、「強いと想定された選手やチームそのもの」の意味でも使われます。

シードの語源とは

シードの語源は英語の「seed」です。広辞苑の意味の最初にあるように、「種子」または「種まき」の意味です。

alphadictionary.comによると、シードという言葉のはじまりは、テニスでトーナメント表を作るときに使われ始めたそうです。トーナメント表上に、強い選手を配置していくことを、庭に植物の種を育った姿の小さいものと大きいものとのバランスを考えて配置していく「種まき」になぞらえて、シードと呼んだそうです。

プロテニスの大会は、トーナメント戦で行われ、まずは組み合わせを記したトーナメント表が作られます。

トーナメント表とは、例えばこのような表。

tournament bracket

試合に勝てば次のラウンドに進む、負けたらそのラウンドでおしまい、という方式です。

上の表は8人分の小さいものですが、例えば一番大きなテニス大会であるグランドスラムでは、128人分の大きな表になります。手動で組み合わせ表を作っていたころ、大きなテーブルか壁にトーナメント表を書いて、強い選手と弱い選手のバランスをみながら選手の名前を一人ずつ張り付けていく、という作業を想像すると、庭に種や苗を植えていくという発想もわかるような気がします。

シード数

プロテニスのシード数は、ATP(男子プロテニス協会)やWTA(女子テニス協会)、ITF(国際テニス連盟)、グランドスラム委員会等、テニスの統括団体によって決められています。

男子のATPツアーの場合、シングルス本戦のシード数は、

  • 選手数28のトーナメント:シード数8
  • 選手数48のトーナメント:シード数16
  • 選手数56のトーナメント:シード数16
  • 選手数96のトーナメント:シード数16

と決まっています。(ATPルールブックより)

女子のWTAツアーの場合、シングルス本戦のシード数は、

  • 選手数28~32のトーナメント:シード数8
  • 選手数48~64のトーナメント:シード数16

です。(WTAルールブックより)

また、シングルス本戦出場の選手数が128と最大になるのグランドスラムでのシード数は、現在、男女とも、

  • 選手数128:シード数32

です。

グランドスラムのシード数は、8から16、32と増えてきたそうです。2001年の全米から32となりました。2017年の11月に一度、2019年から16シードに戻すと発表されましたが、2018年9月には翻って、32で継続すると再発表されました。

シードの決め方

プロのテニス大会では、ほとんどの場合、

  • 世界ランキング順

でシード順が決まります。シード順と大会出場権を公平に決めることが、世界ランキングの役割のひとつです。

例外として、グランドスラムのウィンブルドンでは、男子のみシード順の決め方が少し違います。現時点の世界ランキングのほかに、2年分の芝コートでの成績ポイントを加えて計算し、シード順を決定します。

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まとめ

テニスのシードとは、トーナメント戦などの勝ち抜き戦で強い選手同士が最初に対戦しないように配置すること。また、その強い選手として選定された選手たちのこと。選手を上手にトーナメント表に配置していくことを庭に計画的にレイアウトして種まきしていくことになぞらえ、シードと呼んだのはテニス界が最初であった。各大会のシード数は、テニスの統括団体によって決められている。

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