テニス観戦にあたって気になるのが「世界ランキング」。報道でも「錦織が世界9位に浮上」とか「初戦の相手は世界ランキング56位」といった記述が見られます。このテニスの世界ランキングは、誰がどうやって決めているのでしょう。テニスの世界ランキングの謎を追いかけます。
テニスの世界ランキングは誰が決めてるの?
結論から言うと、
- 男子 ATP (男子プロテニス協会)
- 女子 WTA (女子テニス協会)
- ジュニア ITF (国際テニス連盟)
- 車いす ITF (国際テニス連盟)
- シニア ITF (国際テニス連盟)
世界ランキングは、ATP、WTA、ITFの3つの団体が決定しています。それぞれに、担当部門があります。どのランキングもポイント制を採用しています。
ただしポイント数や計算方法に関しては、それぞれが独自の方法を採用しています。
ところで、一般に「世界ランキング」として注目されるのは、男子と女子のシングルスのランキングです。ここからは、男子と女子のシングルスの世界ランキングについてです。
男子テニスの世界ランキングはどうやって決めているの?
男子テニスのシングルスの世界ランキングの本当の名称は、「ATPランキング」です。ATPランキングよりも、意味的に分かりやすいため「世界ランキング」という言い方が使われるのですね。
ATPランキングは、基本的に、
- 直近1年の18大会の合計獲得ポイント数が多い順
で決まります。ポイント計算の主なルールは次の通り。
- 直近52週間の大会もの
- 最大18大会分
- ATPファイナルズに出場した場合には最大19大会分
- グランドスラム4大会+マスターズ8大会+その他の高得点の方から6大会+ATPファイナルズ
- ATPファイナルズのポイントは、年間最終戦(例年はパリマスターズ)が終了した次の月曜から加算しない
その他、詳細な決まりがあり、毎年更新されるATPの公式ルールブックに定められています。
女子テニスの世界ランキングはどうやって決めているの?
女子テニスの世界ランキングの本名は、「WTAランキング」です。
シングルスのWTAランキングは、基本的に、
- 直近1年の16大会の合計獲得ポイント数が多い順
で決まります。ポイント計算の主なルールは次の通り。
- 直近52週間の大会もの
- 高得点のものから最大16大会分
- WTAファイナルズに出場した場合には最大17大会分
- グランドスラム4大会+プレミアマンダトリー4大会+WTAファイナルズを含むこと
- トップ20の選手の場合は、プレミア5大会の高得点の方から2大会を含むこと
その他、詳細な決まりがあり、毎年更新されるWTAの公式ルールブックに定められています。
ポイント数はどうやって決まるの?
ポイント数については、各大会のカテゴリーと勝ち進んだラウンドで獲得数が決められています。
たとえば、「グランドスラム」というカテゴリーの大会なら、女子シングルス優勝は2000ポイント、準優勝は1300ポイント・・・・1回戦敗退なら10ポイント、というように。
カテゴリーやポイントとランキングの仕組みは、ATP、WTAそれぞれ独自のものであり、獲得ポイント数も、それぞれで違っています。
詳細については、また別の機会に。
世界ランキングはいつ発表しているの?
男子と女子の世界ランキングは、
- 毎週月曜日
に更新発表されます。
ただし例外があって、開催期間が2週にわたる6大会、グランドスラム、マイアミオープン、そしてBNPパリバオープンの期間中の月曜日には更新されません。よって毎年およそ45回発表されています。
世界ランキングは何のためにあるの?
世界ランキングが発表される理由は、主に次の2点。
- どの選手がベストプレーヤーなのかを分かりやすく表すため
- 大会の出場権を公平に決定するため
- シードを決定するため
世界ランキングは、ポイント制というファンにも選手にも分かりやすい数値化によって、公平さを保つシステムとして機能しています。
世界ランキングが最初に発表されたのはいつ?
国際テニス連盟によると、男子のATPランキングが初めて発表されたのは、1973年8月23日。この発表はシングルスのみで、ダブルスが初めて発表されたのは1976年3月1日でした。
女子の世界ランキングが最初に発表されたのは、1975年11月3日。
まとめ
世界ランキングは、男子はATP、女子はWTA、それ以外はITFが、独自のポイントシステムで決定している。ポイントの計算方法や決まりについては、公式サイトなどで公表されている。