硬式テニスの公式戦に使われるボールはいつも黄色です。黄色いボールはテニスを表す象徴ともなっていますね。ラケットの色はさまざまなのに、なぜテニスボールはいつも黄色なのでしょう。それはルールで決まっているのでしょうか。それはいつからなのでしょうか。テニスボールが黄色い理由や歴史の謎を追いかけました。
テニスボールが黄色いのはなぜ
テニスボールが黄色い理由は、
- テレビで最もよく見えるから
理由は簡単で、テレビでテニスを見る人たちのためだったのです。
テニスボールが黄色はルールで決まってる?
テニスのルールを決めている国際テニス連盟のルールブックによると、プロの公式戦のテニスボールの色は、
- 白または黄色
と決まっています。よって、テニスボール黄色いことはルールで
- 決まっている
と言えます。
テニスボールが黄色になったのはいつ?
公式ルールブックで、テニスボールの色に黄色と記載されたのは、
- 1972年
のことでした。
他のグランドスラムではすぐに黄色いボールを採用したものの、ウィンブルドンだけはしばらく伝統的な白いボールを使い続け、ついに黄色いボールを受け入れたのは1986年のことでした。
こうして1986年からは、グランドスラム以外のプロの大会でも次々と黄色いボールを使うようになり、今ではほとんどすべての大会で黄色いボールを使います。
テニスボールの色の歴史
国際テニス連盟によると、テニスボールの色は、歴史的に、
- 黒または白
でした。テニスコートの色によって黒か白かよく見えるほうを使っていたそうです。
最古のテニス大会と言われるウィンブルドンの第1回大会は、1877年に開催されましたが、この頃は、テニスは、会場で見学するものでした。
テレビが普及しだしたのは1920年代以降で、初めてテレビ放送されたテニスは、1937年のウィンブルドンでした。当時のウィンブルドンのボールは、緑の芝生に映える白。テレビ放送は白黒だったので、問題ありませんでした。
ところが、1960年代になると、カラーテレビが登場。1967年には、ウィンブルドンもカラーで放送され、1970年代初頭には、カラーテレビが一般的になりました。ここで、テニスボールの事情が一変することになります。
ある調査結果が報告されます。「テレビでテニスを見るとボールがよく見えない。テレビでのテニス観戦は苦痛である」。ウィンブルドンでは他に、「白いボールに芝生の緑色のシミがついて見えにくい」という問題もありました。
これらの報告を受け、国際テニス連盟はカラーテレビ対策に乗り出します。ボールの白色を変更すると見えやすくなるのではないだろうか。
調査の結果、”optic yellow”、いわゆる蛍光イエローが、最も見えやすいという結論になり、1972年、この色のボールが正式に導入されることとなったのです。
1986年には、グランドスラム大会の中で最後まで白を使い続けたウィンブルドンも、ついに黄色いボールの使用を受け入れ、これをきっかけに、他の大会でも次々と黄色いボールを採用するようになりました。
まとめ
テニスボールが黄色い理由は、テレビでボールを見えやすくするため。白色のボールがカラーテレビで見えにくかったことで調査を行い、1972年から黄色が公式ルールに追加採用された。1986年にはついにウィンブルドンでも黄色が採用され、以後、他の大会でも黄色いボールがしようされるようになった。
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