女子テニスの大会カテゴリーとは?WTAプレミアの意味

大坂なおみ選手が2018年に優勝して話題となった全米オープンは「グランドスラム」、その前に優勝したBNPパリバオープンは「プレミアマンダトリー」。ん、プレミアマンダトリー?このグランドスラムやプレミアマンダトリーを「大会カテゴリー」と呼ぶそうです。
女子テニスの大会カテゴリーについて調査してみました。

→2021年からの新カテゴリー名はこちら

女子テニスの大会カテゴリーとは

大会カテゴリーは、現在のプロテニスの仕組みの一部です。大会カテゴリーとは、いわば

  • 大会の格付け

のことです。カテゴリー分けの基準は、大会の規模や歴史、そして賞金額です。

テニス大会では、カテゴリーごとに選手に付与されるポイント数が決まっていて、ポイント数は選手の世界ランキングに反映されます。選手は、世界ランキングによって、出場できる大会が決まり、出場できる大会によって獲得ポイント数と獲得賞金額が左右されます。

上位の大会に出場するほど、より多くのポイント数と賞金額の獲得が期待でき、より多くのポイント数を獲得すると世界ランキングが上昇し、上位大会により確実に出場することができます。

女子プロテニスの大会カテゴリーを大きく分けると

  • グランドスラム
  • WTAツアー
  • ITFサーキット

の3つです。これらはこの順番に格付けされています。

模式図にしてみるとこんな感じです。

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グランドスラムが最高峰、次にWTA(女子テニス協会)が統括するWTAツアー、そして最後が、ITFサーキットと呼ばれるITF(国際テニス連盟)が統括する大会です。

WTAツアーやITFサーキットの大会は、さらにそれぞれカテゴリー分けされています。

大坂なおみ選手を始めとするトッププロ選手が活躍する舞台は、グランドスラムとWTAツアーです。

グランドスラム

グランドスラムは、いわゆる四大大会、テニスのメジャーのことです。優勝ポイントは、2000。

その4大会とは、

  • 全豪オープン
  • 全仏オープン
  • ウィンブルドン
  • 全米オープン

グランドスラムは、女子でも男子でも、テニスの最高峰の大会です。規模としても最大で、出場選手数、賞金額、ポイント数すべてにおいて、圧倒的です。

WTAツアー

※WTAツアーのカテゴリー名が2021年から新しくなりました。詳しくはこちら

WTAツアーとは、WTAが統括する大会のことで、2019年は、55大会あります。

WTAツアー55大会は、次のようにカテゴリー分けされています。()内は大会数。〈〉内は優勝ポイント数

  • WTAファイナルズ
    ・WTAファイナルズ(1)〈1500*〉
    ・WTAエリートトロフィー(1)〈700*〉
     *全勝優勝の場合
  • WTAプレミア
    ・プレミアマンダトリー(4)〈1000〉
    ・プレミア 5(5)〈900〉
    ・プレミア(12)〈470〉
  • WTAインターナショナル(32)〈280〉

WTAファイナルズは、限られた上位選手のみによる年間最終戦です。(WTAファイナルズはシングルス、ダブルス各上位8組、エリートトロフィーはシングルス上位9位以下12組、ダブルスは9位以下6組)

よって通常大会では、「プレミアマンダトリー」がWTAツアーの最高レベルの大会となります。男子の大会ではマスターズに該当するカテゴリーです。

2018年大坂選手が優勝したBNPパリバオープンは、このWTAツアー最高レベルの大会であったため、大きな達成事として話題となったのですね。

というわけで、WTAツアーとしてカウントされるカテゴリーは上記の通りなのですが、もうひとつ、WTAと名がついている「WTA125Kシリーズ」というカテゴリーがあります。

WTA125Kシリーズは、WTAツアーとITFサーキットの間のレベルと位置付けられていて、2018年には11大会あり、優勝ポイントは160でした。

WTAツアーのカテゴリーも模式図にしてみました。

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便宜上、WTAエリートトロフィーが上部に来ていますが、ポイント数から言って、プレミアマンダトリーやプレミアよりも、上位扱いではありませんがここは例外とします。

ITFサーキット

ITFサーキットは、ITFが統括するプロテニス大会で、WTAツアーの下のカテゴリーです。大会数は、500以上。60か国以上の国で開催されます。

ITFサーキットは、大会の賞金総額によって、付与ポイント数が決まっていて、賞金が高額な大会のほうがポイント数も高くなります。優勝ポイントは最高で150ポイントです。

ITFサーキットは、2019年から新しくなります。

2018年までは、賞金総額によって、1万5000ドル、2万5000ドル、6万ドル、8万ドル、10万ドル、の5つのレベルに分かれていましたが、2019年からは、1万5000ドル以下の大会が、「ITFトランジションツアー」という新しいカテゴリーに生まれかわり、結果、ITFサーキットの大会はすべて賞金総額2万5000ドル以上の大会となります。

ITFトランジションツアーとは?

新設される「ITFトランジションツアー」は、ジュニアとプロとの間のカテゴリーという位置づけです。ITFトランジションツアーでは、「ITFエントリーポイント」という新しいポイント制が導入され、そのポイント数による順位、「ITFエントリーポイントランキング」ができることになります。

ITFエントリーポイントランキング上位の選手には、ITFサーキットへの出場権が確保されます。

ITFトランジションツアー新設の目的は、ジュニアからプロへの移行を確実で効率的なものにすること、そしてより多くの選手が生計を立てられるようにすることです。「ITFトランジションツアー」の導入は、プロ選手数を大幅に減らす手段でもあります。
WTAのサイトでは2018/11/30現在シングルスで1200名以上の選手がWTAランキングに載っていますが、2019年は約750名に減る見込みです。

ITFの調査によると、テニスで生計を立てることができているプロは、女子では約250名に過ぎないということです。この現状を改善するために、ITFトランジションツアーの導入という改革が遂行されるそうです。

まとめ

女子プロテニスの大会カテゴリーを筆者なりにまとめると次の図の通り。

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