プロテニスの試合を見ていると、サーブする選手がボールキッズから受け取ったボールを何かチェックして、返してしまうことがあります。あれってボールの何をチェックしているのでしょうか。
選手はテニスボールの何をチェックしているの?
チェックしてるポイントはずばり
- モワモワ
おろしたてのテニスボールの表面は、スムーズでなめらかです。ですが使っているうちに、あの黄色い部分が徐々にモワモワっとけば立ってきます。
なめらかなボールは、スピードが速くなるので、摩擦が少ない分正確さのコントロールが難しい。
モワモワボールは、スピードが遅くなる一方、正確にボールをコントロールできる。
というわけで、たとえば、なめらかなボールとモワモワボールを1つずつ確保して、なめらかをファーストサーブに、モワモワはダブルフォールトを避けるため、セカンドサーブに使用するとか、ゲームのスピードを遅くするためにモワモワボールばかり選ぶ、とかその時の作戦に合わせて、ボールを選ぶそうです。
とはいえ、実際のところ、ボールは9ゲームごとに新しいものになることもあり、大きな違いはないといいます。
アンディ・マレー選手は、「みんながやってるからやってる。でも違いはほとんどない」と言っています。
ジョコビッチ選手やフェデラー選手は、「モワモワができるだけ少ないなめらかなボールを選んでいるのだ」と言う一方で、「ゲーム展開に違いがでることはほとんどない」とも認めています。
質的には、違いがないのに、なぜ選ぶのか。その理由は、
- 心理的なもの
と言われています。
- ルーティンのひとつとして心を落ち着かせるために選ぶ
- 相手の調子を狂わせるための戦略として選ぶという時間を取る
- エースを決めたボールをゲン担ぎで使い続けたいから選ぶ
- 選ぶ権利があるから一応選ぶ
- 選んでるほうがプロっぽいから選ぶ
- プロは選ばなければいけないという強迫観念で選んでいるふりをする
- ただの習慣
などなど、いろんな意見が見受けられます。
テニスボールのモワモワの正体は
テニスボールのモワモワになる黄色の部分は何の素材でできているのでしょう。それは、
- フェルト
フェルトは、繊維を絡め合わせて固めた布ののこと。ウールなどの動物の毛のほかに化学繊維を使ったものがあります。
まとめ
テニスのプロ選手は、サーブの前に受け取ったボールのモワモワ度をチェックしている。理論的には、モワモワが少ないボールのスピードのほうが速くなるが、試合中定期的に新しいボールに変わっていることもあり、実際のところはモワモワ度の違いはゲームに影響がでるほどの違いはなく、プロ選手の心を落ち着けるための習慣となっていると考えられる。
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